イライラした時、ストレスを溜めないための呼吸法とは?

  • 2015.07.02 Thursday
  • 17:37
イヤな気持ちを吐き出して心の中をキレイにする呼吸法

 普段、日常生活において、何かイヤな出来事に遭遇したり、自分で「失敗した」と思うような過去の嫌な記憶を思い出したりして、ついイライラしてしまうことは多いと思います。

 特に、誰かに傷つけられるような言葉を投げつけられた経験が重なったり、想い起こすことが多かったりすると、知らないうちにストレスが溜まっていき、心が疲弊していきます。そのようにして心が疲れていくと、だんだん、怒りやすくなったり、他人に対して寛容になれなくなってしまったりすることが多くなります。

 そのように心が穏やかではなくなってくると、コンビニエンスストアのレジの行列を待っていられなくなるといったような些細なことから始まり、やがて他人の小さなミスなどに対しても許せなくなるといった心境に陥るようになってしまいます。

 イライラが溜まり、自律神経に乱れが生じると、その分、免疫力は下がってしまいます。怒りや苛立ちの状態にある時は、交感神経が優位に働いていますが、精神的ストレスが慢性的に続いてしまうと、副交感神経がだんだん働かなくなってしまい、疲労が蓄積することになります。そのようにして疲労が溜まると、今度は低体温を招き、その結果、免疫細胞の働きが鈍くなってしまって風邪などのウイルスの侵入を許しやすくしてしまうのです。

 また、免疫力の問題以外にも、イライラや怒りによって冷静な判断が出来なくなり、仕事や家庭などの重大な場面で誤った選択を行ってしまうという問題も生じてきます。

 そのため、自律神経が優位になり過ぎないよう、副交感神経を働かせる必要があるのですが、そうするのに最適なのが、呼吸法をうまく利用することです。

 「呼吸法」というと難しく感じられるかもしれませんが、最初から複雑な呼吸法にチャレンジする必要はありません。まずは気持ちよく深い呼吸を行い、自分なりにリラックスしてみることが何よりも大事なのです。

 ですが、心にゆとりが無い時は、深くて気持ちの良い呼吸を行うのを忘れがちになってしまいます。だからこそ、呼吸が浅くなって怒りっぽくなったり、イライラしやすくなったりするとも言えるのです。

 そのため日常生活の中で、イライラする出来事に遭遇したり、思い出したりする度に、深い呼吸を行う習慣を意識的に持つことが必要になります。


 しかし、常日頃から、イライラする度に深い呼吸を行うというのは案外難しいものだと思います。そこで、ここでは簡単に出来るうえにリラックス効果が高い呼吸法を紹介してみたいと思います。

 まず、イライラする出来事に遭遇したり、イヤな記憶を思い出したりしたら、自分が息苦しくなっているのを感じるようにし、呼吸が浅くなっているのを自覚するようにします。そのことに気づくのが難しいという方は、イライラする出来事に遭遇した時、条件反射的に呼吸のことを思い出せるよう、<嫌な出来事⇒呼吸してリラックスする>ということを、1日のうちになるべく長い時間、意識するようにしてみてください。

 そして、実際に「イラッと」する出来事に遭遇したら、そのイライラを身体の中に溜め込まないように、お腹をへこませながら、息を長い時間、ゆっくりと吐き出すようにします。もし「イラッと」きて息が苦しいと感じたら、最初に息を吸っても構いません。しかし息を吸う時は必ず鼻で吸ってください。

 吐く時は鼻でも口でも構いませんが、口で吐く時は、口をすぼめるようにして「フーっ」と吐くようにしてみると実践しやすいです。そのようにして息を長く吐いていきますが、その時、胃の辺りやお腹周辺に溜まったイライラやモヤモヤを全部外に吐き出すつもりで、息を吐くようにします。また、吐けば吐くほど、邪(よこしま)な気持ちが体内から出て行くのをイメージします。

 お腹をへこまし、イヤな気持ちを全部外に出すつもりで息を全部吐ききってしまうと、今度は息を吸おうとして、勝手にお腹が膨らみます。その反動を利用して、リラックスしながら気持ちよく息を吸うようにします。その時、鼻から入ってくる空気は、清浄なものであるということを意識します。そしてそのきれいで澄み渡った空気は鼻から肺を通って、嫌な気持ちが外に吐き出される代わりに、胃やお腹、丹田の辺りに充満するのを感じるようにします。

 そのようにして息を吸ったら、また、最初と同じように、イライラやモヤモヤを外に吐き出すつもりで、息をゆっくりと長く吐いていきます。そして吐ききったら、再び、きれいな空気を体内に取り入れるつもりで息を吸うようにし、それをイライラが治まったと思うまで繰り返していきます。

 何か嫌な出来事に遭遇したり、過去の「失敗した」と思う記憶が甦ってきたりして、ついイライラして呼吸が浅くなったら、ぜひ、この呼吸法を行うことで、イライラを緩和し、自分自身をリラックスさせてみてください。

参考文献
綿本彰『ヨーガではじめる瞑想入門』
伊藤武『秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ 』
龍村修『指ヨガ呼吸法』

弱まった呼吸器を見直して猫背予防。

  • 2015.05.09 Saturday
  • 16:32

井本邦昭 『弱った体がよみがえる人体力学』 高橋書店


 毎日の仕事のなかで、何かイヤなことがあったり、理不尽な上司に叱責されたりして、ついイライラしてしまうことは多いと思います。何かに対して感じる苛々や、さらにそれがエスカレートして生じた怒りにのみこまれてしまうと、そのことでますますイライラしてしまうといった悪循環が生じてしまいます。

 心が穏やかではない間、苛々や怒りの原因は生じてしまった出来事にあると思って、いろいろ頭で考え込んでしまいますが、視点を変えてイライラしている時の身体の状態に目を向けてみると、呼吸が浅くなっているのが分かります。

 「イラッ」ときたり「カチン」ときたりした場合は、深い呼吸が出来なくなっているため、冷静な判断が出来なくなっているのです。そのため苛々や怒りがさらに飛び火していって燃え上がる場合があります。苛々や怒りの問題を、全て呼吸のせいにするわけではありませんが、呼吸に意識を向けてみることは大切であるように思います。

 特に現代において多くの方は知らないうちに呼吸が浅くなっている可能性があります。その原因の一つには、前のめりの姿勢になっていることが挙げられます。時間に追われてばかりのスピード重視の生活を当たり前のように送っていると、前のめりの姿勢になっていることになかなか気づかなくなります。

 実は前のめりの姿勢になると、それだけ呼吸が浅くなります。また、血流が悪くなることや身体のバランスが崩れることが原因で、腰痛や肩こりといった身体の不調も生じてきます。したがって、他人のちょっとした言動に対して、すぐにイライラしてしまう場合は、前のめりの姿勢が続くことによって、呼吸器が弱まっていることを疑ってみる必要があります。

 整体師の井本邦昭氏は『弱った体がよみがえる人体力学』のなかで、多くの人が確実に弱っている部位として呼吸器を挙げています。また、呼吸器が弱ってしまうと、肺や気管支と連動する骨や筋肉のはたらきも弱ってしまい、そのため肩甲骨の間にある三角点に重度のサビつきが集中するようになると述べています。

 その「三角点」とは、「肩甲骨の上角から、背骨の中でも「胸椎」と呼ばれる部分の上から5番目までをつないだ三角形」のことを指します。

 その三角点は筋肉、肩甲骨、背骨の三つの部位が関係してきます。

 筋肉は三角点において折り重なるように集まり、肩甲骨や背骨ともくっついているため、一つの筋肉にサビつきが生じると、骨を介して他の筋肉にもサビつきを波及させていくと言います。また、筋肉がサビつくと血流が悪くなり、身体の動きが鈍くなって、身体を重いと感じてしまう弊害も生じてきます。

 肩甲骨については、三角点がサビついている場合、ほとんどの人が正常の位置に収められなくなっている部位だと井本邦昭氏は述べています。肩甲骨が三角点から離れるようにして、外側にズレていってしまうと、重心が前にかかった前屈姿勢になります。この前屈姿勢こそが猫背と呼ばれているのです。

 背骨は頸椎、胸椎、腰椎、といった24個の骨からなり、本来はきれいなS字カーブを描き、骨のひとつひとつが弾力をもって動いています。しかし、背骨がひとつでもサビついてしまうと、そこがうまく動かなくなり、上下の骨とくっついて一体化したようになっていってしまうそうなのです。そうなるとS字カーブは失われていき、姿勢の乱れを引き起こして様々な部位や機能の弱体化を招くことになると言います。

 この筋肉、肩甲骨、背骨が相互に関わっている三角点のサビつきを防ぐには、サビついた部位に刺激を与えることが重要になってきますが、ここでは『弱った体がよみがえる人体力学』の中から、三角点を刺激して猫背を予防すると共に、弱まった呼吸器を改善して呼吸を深められる簡単なエクササイズをご紹介したいと思います。

 1、「背すじを伸ばしてイスに腰かけ、体を少し前に傾ける」
 2、「肩を軽く持ち上げるようにして息を吸い、いったん止める」
 3、「肩を少し後ろへ引き、息を吐く」

(『弱った体がよみがえる人体力学』p50〜51)

 このエクササイズを何度か繰り返すと、全身のサビつきを落としやすくなるうえ、酸素が全身に行き渡って弱った部分を活性化させることが出来るそうです。イライラしている時はもちろんのこと、長時間のデスクワークなどで、肩や首が凝っていると感じたり、背が曲がっていると思ったりしたら、ぜひこのエクササイズで猫背を改善して呼吸を深めてみてください。
 

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